2020.06.11

Afterコロナ時代の店舗サービス業の経営変革について考える③

緊急事態宣言の解除、休業要請なども緩和され、徐々に店舗営業が再開されてきています。しかし今後もしばらくは「Withコロナ」の環境下で事業活動を継続しなければなりません。そのための中長期的な方向性を模索している経営者も多いのではないでしょうか。

 

危機の時ほど、長期的で本質な解決策に取り組む好機

 

新型コロナウイルスの影響で休業を余儀なくされ、ようやく再開できてもこれまでの損失をどれほど取り返すことができるのか?そんな時、競合他社はきっと「安売り」や「特売」と言った小手先に頼り、短期的な利益確保を最優先しがちです。しかし、それだけで本当に本質的な解決策になっているのでしょうか?

 

「一見正しそうに見えて分かりやすいものほど、効果は長続きしないというのが世の常であり、
一見分かりづらいが、本質的なものほどジワリと効果が現れ、中長期的な成長を支えてくれる」
そのような目利きが、今まさに必要なのだと思うのです。

 

例えば、今回のコロナ禍のような危機の時、「人材教育に力を入れる」と社長が言ったとしましょう。あなたはどう思うでしょうか?「こんな時に何を言っているんだ。」と思ってしまうのでしょうか?こんな時に従業員の教育に力を入れるということは、危機時に失った売上や利益が、「なぜ失われたのか」を考えるきっかけになるのです。

 

なぜ、お客様はお店から離れてしまったのだろうか?
緊急事態宣言の解除後、本当はもっと多くのお客様が戻ってきても良いのに、なぜお客様に戻ってきてもらえないのだろうか?
それは、コロナ以前に安心・安全に配慮した店舗運営がなされていなかったからではないか?
それ故にお客様からの信頼が薄かったのではないか?
実はお客様が欲しいサービスや商品が提供できていなかったのではないか?
そもそも挨拶や声がけといった、基本の徹底ができていなかったのではないだろうか?

 

そういった理由をスタッフ全員に考えさせ、何が不足していたのか、何をすればお客様に満足してもらえるのか、それをどう実践していくのか?そんな教育をしてはいかがでしょうか。

 

短期的な売上への貢献度は低いでしょうが、3ヶ月後、半年後、お客様満足度が向上し、お客様はきっと戻り、固定客になってくれるのではないでしょうか。安売りに関係なく、定期的に足を運んでくれるお客様が自社の利益を生んでくれているのです。
長期的で本質的な施策というのは、すぐに効果が出る訳ではありません。しかしお客様満足度を向上させ、固定客を増やすことができる、そしてその固定客こそが店舗や企業の基盤となり、中長期的に企業を成長させていくことにつながると私は考えています。

 

 

では、一方で前述の「安売り」や「特売」の場合はどうでしょうか。
値引きにつられてお客様はお店に足を運んでくれるでしょう。しかし、それだけを目当てに来るお客様だけでは全く利益が出ません。さらなるコストカットに走り、お客様に提供するサービスの質を低下させるだけです。また利益が出ない施策によってスタッフにも無理な労働を強いることになり、戦力を失ってしまう可能性もあります。
つまり「安売り」や「特売」による売上増は、将来の売上を奪っているに過ぎないのでないでしょうか?中長期的には息切れし、結果的にジリ貧になってしまうのではないでしょうか?
これが、こういう時ほど短期的で分かりやすい、誰にでも分かりそうな施策に手を出してはならないと思う所以なのです。

 

 

何がお客様の満足度を高め、どうしたら自社のファンになってもらえるのか、このような時こそ、それを見定め、じっくり、信念をもって取り組むことが重要です。必ずそれは結果になって現れてくるでしょう。
教育投資、IT投資といった企業を成長させる事を怠り、コスト削減のみに偏った経営をしてしまっていないでしょうか?今一度、何がお客様にとって、自社にとっても良い施策なのかを考えていただきたいのです。