2020.06.18

Afterコロナ時代の店舗サービス業の経営変革について考える④

新型コロナウイルスとの戦いにおいて「『事業再生』と考え、中央集権へ組織移行していくべき」というお話は①でもさせていただきました。
つまりコロナ禍における経営は、生活様式が変化し事業モデルを変える必要がある「再生期」と言うことができます。ではBeforeコロナを、緩やかに経済が拡大し少なからず事業も拡張していた「拡大期」と考えると、当然「再生期」とは真逆の環境であるということになり、今回はその真逆の経営を考えてみたいと思います。

  

店舗を見える化し、オペレーション実行力の高い店舗を作り出すことが必要

  

「拡大期」は景況感が良いので、お客様が入り、店舗の売上は拡大していきます。ある程度「ムダやムラ」があったとしても許容でき、店舗に裁量権を渡すことで現場のモチベーションになっていたとも思われます。
しかし今回のような「お客様が外出しない・お金を使わない」という状況になると、店舗の「ムダやムラ」を徹底的に排除し、なんとか利益を出していかなければならないのです。メニューを絞ることでロスを無くす、原価を下げる、少人数で店舗を運営し人件費率を守る。これを数十店から数百店レベルで実行することで、ようやく利益が出せるのです。よって「再生期」は本部に権限を集中化し、店舗への指示を徹底させることが非常に重要になってきます。
もし、この方法でうまく結果が出せないようであれば、その理由は以下の2つにあります。

  

① 本部からの指示を店舗できちんと実行することができなかった
② 結果の検証が正しくできず、できなかった理由だけを聞いている

  

① の場合
店舗にとって、本部からの指示の難易度が高かったためか、オペレーションを実行するプロセスの見える化ができておらず、修正行動を取ることができなかったからだと考えられます。それを明らかにするためには、以下のような点で自問自答することが必要です。
  
本部と店舗のコミュニケーションの頻度、内容、ツールは適切だろうか?
本部の戦略、戦術が店舗で実行されているかどうか、見える化ができているだろうか?
また、その施策の意図が店舗のアルバイトまで行き渡っているだろうか?
店長に経営側の信念が伝わるように何度でも語っているだろうか?
それを店長にまかせきりになっていないだろうか?
店舗の状況を可視化して、適切なフォローができているだろうか?
  
全ての結果責任を店長に押し付けても成果は出せません。店舗内のマネジメントを可視化し、店長のレベルを理解し、本部は適切なフォローを行うことが重要です。それができている企業が、こういったコロナの状況でも伸びているのです。

  
② の場合
店長会議で提出される報告書を鵜呑みにすることはできません。私が現場責任者だった時も、全社経営会議への報告書は、面倒臭いことにならないように記載した経験があります。全てが嘘ということではありませんが、現場からの報告は、その場を切り抜けるために作られた資料も多いと思った方が良いでしょう。大企業になればなるほど、そういう傾向が強くなります。また結果を出せなかった理由を並べ、言い訳だけをしてくる人も多いものです。その報告を聞いたところで次に活かすことはできません。よって、なぜ結果が出せなかったかを聞くのではなく、次どうするのかを考えさせなければいつまでも成果は出せないのです。
  
結果に対する検証を迅速に行い、できた店とできなかった店の差異を明確にし、次に全店舗で結果が出るようにするための施策を打つ。その結果をまた検証し、更なる施策を実施する。このようなPDCAサイクルを高速に回し、継続していく経営がより良い成果を導くことは明白です。しかしながら結局は多くの企業がPDCAサイクルのC:Check、A:Actionに力を入れられておらず、十分な検証無く次の施策(D:DO 実行)のみ行っているのが現実です。
そういった状況に陥らないようにするには、いかに店舗の一次情報を取得し、検証するかにかかっています。売り場の写真やマネジメント情報を取得・分析し、仮説を立てる。本部でここまで出来ているでしょうか?
  

コロナ禍の経営は、中央集権化し店舗のオペレーション実行力を100%にできるか、それを見える化できているかが、復活の鍵になるのです。